久々の更新となります。リンヤです。今年の世界大会で使用した構築を紹介していきます。
結果としては、Day1は7勝2敗(〇×〇〇×〇〇〇〇)で突破、Day2は4勝3敗(〇××〇〇〇×)と、あと一歩のところでトップカットには残れませんでした。
去年Day2でボロ負けしてから、今度こそはトップカットに残るという意気込みのもと準備してきたので非常に残念なのですが、去年よりは世界で戦うだけの力が確実についてきたことも実感できましたし、やってきた練習や自分の考え方は間違ってはいなかったこともわかったので悔いはないです。足りなかった分はこれからの一年で埋めていきます。それでは、構築経緯に移ります。
構築経緯(事前構想)
今回世界大会で使う構築に関して、具体的なメンツや調整を考える前に大きな指針をたてました。
①構築相性的に極端に不利をとる構築がないような構築を作る
②メジャーすぎる構築は避ける
③BO3を意識した構築を作る
①「そりゃできるんなら誰でもそうするだろ」ってなりますよね。ただ、僕はこのことの重要性を去年の全国、世界大会、そして今年の全国大会で痛感し、自分が克服しなければいけない一番の壁だと認識したので何よりもこの部分を重視しました。
これまでの公式大会で自分が負けた原因は何かと振り返った時、「どう頑張ってもプレイングではひっくり返せないほど構築相性が悪い相手と当たってしまった」ことが挙げられます。ただこれは自分の引き運が悪かったということではなく、その大会で上位に入った人の構築のどれを見ても「ああ、これはどうあがいても勝つのは難しいな」と感じたため、単純に自分の構築力が劣っていたということになります。
直近の例を挙げますと、僕は今年の全国大会でゼルネアスレックウザを使用したのですが、決勝トーナメントでたくろーさんのネクロズマツンデツンデに惨敗しました。これはプレイングの差も当然ながら、構築段階で明らかに不利をとりすぎていたことを痛感しました(レックウザが守れないのでトリルをしのぎ切るのが難しい、対トリルをある程度想定して組み込んだガオガエンとカプ・レヒレも珠ツンデを抑えきれなかった)他の上位に食い込んでいた方の構築も「ソルガレオレックウザ」「メタグロスいりオーガレック」「ミミッキュ+毒Zクロバいりオーガレック」など、トップメタであるゼルネアスレックウザを構築段階から完封できるだけのPTパワーを備えているものばかりで、考察力の違いを見せつけられました。
しかし、逆に言うと他の「構築段階で特別不利をとらない構築」に対してはしっかり勝つことができていました。相手が自分より強いプレイヤーであったり構築に1,2体キツいポケモンがいたとしてもとしても、初見殺しを仕込んだり自分のプレイング次第で解決できることはこれまでの経験から理解していたので、今回は「試合前に勝負が決まってしまうような最悪の事態は避ける」「キツい相手がきても誤魔化しがきくようなポケモン、技をいれて工夫する」ことを強く意識するようにしました。
②この内容は①とも若干被りますが、最メジャーな構築(今年でいうとグラゼルネ、ゼルネレック、オーガレック等)は他のプレイヤーも構築段階で強く意識して対策や立ち回りを講じているので、なかなか簡単には勝たせてくれないだろうな、と感じていました。現に、全国大会で僕が持ち込んだゼルネレックは上位のプレイヤーにほとんど対策されていましたし。もちろん、これらの構築はメジャーである=それだけPTパワーが高いということであるため、決して弱いわけではありません。ただ、個人的にはメジャーすぎる構築よりかはやや珍しく、対戦相手も完璧な対応ができなさそうな構築を作りたいと考えていました。(理想的なのは、サンルールのINC環境でのグライベルのようなもの)
③ これは、「構築の核となるポケモンは極力守れるようにして、どんな状況からも巻き返しがきくようにする」「強力な勝ちパターンを複数用意して、相手に選出を読まれないようにする」という点を意識しました。これまでの公式大会でのBO3で僕があまりできておらず、いざ対戦になってから後悔することが多かったのでその反省も活かしたいと考えていました。
構築経緯(具体案)
組み始め~BO3杯まで
構築の始点はトリルルナアーラ+岩zツンデツンデ。威嚇と猫騙しの効かないルナアーラでトリックルームを貼ったあとにツンデツンデを降臨させ、攻撃範囲の補完がとれている2体で相手を殴っていくシンプルかつ強力な組み合わせです。ルナアーラが激しく呼ぶガオガエンをツンデツンデのビーストブーストの起点にできる点が素晴らしい。
世界大会で使う構築をどれにしようかと悩んでいる際に、日本ベスト8のスボミーさんからその組み合わせが強い、と勧められたのがきっかけでした。この組み合わせは全国大会でもペンギンさんが使用されていたことから強さが証明されており、僕自身も前述のように攻撃的なツンデツンデに負かされていることから、自分でも使って使用感を確かめてみたいと考えてはいたので、さっそくその2体をベースに構築を組みました。最初にスボミーさんに提案されたメンツはこんな感じ。
この原案段階のものはメモが残っていなかったのですが、
ルナアーラ@カシブ
ツンデツンデ@岩Z
レックウザ@鉢巻
ガオガエン@フィラ
カプ・コケコ@眼鏡
カプ・レヒレ@ウイ
みたいな感じだったと思います。個別解説の項目でも触れますが、カシブルナアーラがマジで天才生物だった。この持ち物のおかげでほぼ全ての相手の前で安全にトリックルームをはることができるので、トリックルーム下でルナツンデで暴れる→残りをレックウザで仕留める、或いはレックウザ@1で疲弊させた相手を後発ルナツンデで倒しきるといった勝ちパターンが非常に強く、この段階で今年の世界大会はこいつらと心中できるくらいの魅力を感じていました。(このあたりの戦い方に関してはSNOWさんの記事を参考にさせて頂きました。非常にわかりやすく、構築への理解度をあげるための手助けとなりました。ありがとうございました!)
snow-pokepoke.hatenablog.com
この段階で感じていたルナレックツンデの強みとしては
・トリルツンデが基本戦術であるため、対策必須のゼルネアスを自然に対処可能
・従来の役割対象であるゼルネレックガエンだけに留まらず、本来なら不利であるグラードンやカイオーガも少し削っておけば倒せてしまうほど岩Zツンデのパワーが強い。もし倒しきれなかったとしてもルナアーラのワイドガードでグラカイを封殺することもできる。
・最メジャーな構築というわけではないため、激しくメタられる可能性は低い。
といった感じで、「これを完成させれば自分が望んでいたような構築が組めるのではないか」と考えていました。
ちょうどルナレックを組み始めてから何日か経った7月にBO3杯が開催されたのでさっそく持ち込んでみることに。この時は少しメンツと中身を変えて
こんな感じ。
ルナアーラ@カシブ
ツンデツンデ@岩Z
レックウザ@珠
ガオガエン@脱出ボタン
カプ・コケコ@突撃チョッキ
モロバレル@襷
ルナツンデは何もいじらず。レックウザはトリルが終わる頃合いに出して詰めで使うことが多かったので守ってターン調整したいことがちょいちょいあった+守れないのバレたら何かと不都合では?となり守れる珠に変更。初手ルナガエンの並びからスムーズにルナツンデ、或いはルナレックの並びを作って攻撃体制にはいれるようにガオガエンは脱出ボタンに。
当時はこの4体の基本選出だけでだいたいの試合で勝ててしまっていたので、残りの2匹は本当に適当にいれました。この時はまだ眼鏡コケコの強さに気づいていない+使い方を理解していなかったため、とりあえず場持ちがよくなって自然の怒りを2回以上いれられたらいいな~くらいのノリでチョッキに。モロバレルはこの時はなんでいれたか覚えていないのですが、レヒレとバレルのどちらが構築にあっているのかをめちゃくちゃ悩んでいた記憶はあるので、いれて役に立つのか確かめるってことでいれたんだと思います。たぶん。
で、オフの結果は予選5勝1敗からの決勝トーナメント2回戦落ちのベスト8。世界大会出場者が数多く集まる中でかなり勝てたのでまずまずといったところでした。この日はオーガレックに数多くマッチングしましたが、全勝できたのはかなり自信になりましたね。ちなみに負けた2試合はちょうど似たようなルナレックを使っていたスボミーさんとカンザキさんに負け。ミラーが下手すぎた。
BO3杯後~世界大会まで
BO3杯で現状のルナレックに対して手応えを感じましたが、同時に修正しなければいけない課題も見えてきました。
・ミラーを考慮する場合、トリルに寄せた要素(今回でいうとガオガエンの脱出ボタン)が完全に無駄になる。また、こちらが手負いになってまでトリルをはるメリットがなくなるため、トリルせずとも戦える要素を増やさなくてはいけない
・ゼルネアスの処理をツンデツンデにほぼ一任しているため、ゼルネアスモロバレルの並びを崩しにくい。当時はコケコの選出率もそれほど高くなかったため、普通に胞子をばらまかれるだけでもかなりキツい
・一応オーガレックへの駒として投入したはずのコケコだが、選出した試合はオーガレックに負けた(意味がわからない)
とこんな感じ。最後のところに関して真面目に考察すると、、
・結局は火力がないのでカイオーガもレックウザも仕留めきることができず、その間に横の味方に負担がかかってダメージレースで負ける
・ルナツンデとZ持ちの可能性があるポケモンが2体いる以上、相手視点でも「コケコは火力がない型だろう」と推測されやすく、結局のところコケコの前でもカイオーガに動かれてしまう
というのが原因だと思います。この段階で、「コケコにチョッキを持たせるのは丸いが、本当にこの構築に欲しいパーツかと言われると怪しい」と感じるようになってきました。
さらにBO3杯から世界大会直前までにも、改善しなければいけない箇所がたくさん見つかりました。
・トリル下のツンデツンデの制圧力が下がってきた(型や構築が認知され始めたのか、トリル下で対面したグラードンやカイオーガがかなり慎重な行動をとってくるようになり、仕留めきるのが難しくなってきた)
・ガルーラがかなり数を増やしてきた(ガルーラガオガエンの2枚猫だましでトリル下のツンデツンデやレックウザなど、エースアタッカーが止められやすくなってきた。大抵はゼルネアスと同居しているためその間にジオコンされて大変なことになる)
・ルナレックという組み合わせ使っているので案の定イベルタルがキツい
とこんな感じ。課題山積みでヤバいと焦り始めますが、もうルナレックで行くと決めて後がないため必死に解決策を考えました。その後どうやって克服したのかは記憶が曖昧な部分もあるのですが、
・コケコを眼鏡にすれば舐めて動いてくるカイオーガを返り討ちにでき、イベルタルにも厚くなれる
・ついでに眼鏡マジカルシャイン+エレキフィールドがゼルネレックバレルへの有効な対抗策となりえる
・眼鏡マジカルシャインによる削りが後発ルナツンデとの相性が非常によい
・コケコレックガエンという、トリルに頼らず上からのビートダウンも可能な軸ができあがる
ということに気づき、コケコを眼鏡型に変更。
また、全体的に数を増やしてきたルナゼルネガルーラやグラゼルネガルーラに対抗するべく、
・レックウザを耐久ふり剣舞型に変更(ルナアーラやガルーラの前で動きやすくなり、モロバレルの作った隙を最大限活かせる)
・モロバレルを耐久固めのオッカ持ちに変更(ツンデツンデやレックウザをサポートできる回数を増やす。ルナゼルネという構築がモロバレルの処理に意外と手間取ることは自分でルナゼルネを使った時に感じたので、VSルナゼルネの駒としても期待していた)
といった変更を加えました。
これで構築が完成!当初のコンセプトであったルナツンデの展開は減りましたが、コケコによる高速ビートダウン、モロバレルのサポートによるレックウザの全抜きルートなど攻め手が豊富になり、立ち回り次第で環境に存在するほぼ全ての構築に互角以上に戦えるPTができました。以下、個別解説です。
ルナアーラ
性格 控えめ
特性 ファントムガード
実数値 241-*-113-207-127-108(S個体値13)
努力値 228-0-28-252-0-0
持ち物 カシブのみ
技構成 シャドーレイ トリックルーム ワイドガード まもる
B・・・あまり
C・・・特化
D・・・C229月食ネクロズマのムーンライトブラスターをカシブ・ファントムガード込みで耐え
S・・・無補正無振りグラードン・カイオーガ抜かれ
この構築の出発点でありトリル始動要員兼削り役。ファントムガード込みで強靭な耐久力を誇るため、弱点のZ技がこない限り確実にトリックルームを決めることができ、そのまま即座に攻撃体制に入れるのが強力です。(ガオガエンZであれば威嚇をいれればほぼ耐えるため、イベルタルクラスのZ技でないとまず落ちない。)
さらにカシブのみを持たせることで月食ネクロズマのムーンライトブラスターであっても耐えるため、この指要員を用意せずともミラーで怯えずにトリックルームを決められます。多くのルナアーラ構築はトリル要員をルナアーラで倒しきることでトリル対策としているような構築が多いため、耐えてトリル展開に持ち込むことで相手の計算を狂わせることができます。実際、Day1では5回ルナアーラミラーが起きましたがカシブのおかげで全て拾うことができました。
伝説枠ではありますが、あくまでツンデツンデが暴れるためのお膳立て役として捉えているためツンデツンデを出さない時や、イベルタルいりなど出しても腐りそうだと判断した場合は無理に選出しません。ルナアーラ不在でも十分戦えるだけのパワーがあるため全く気になりませんでした。選出した場合はツンデツンデやモロバレルと連携して相手を削ります。
また、グラカイとのS関係を明確にしてトリル下で上から殴れるように、S個体値はあえて落としました。(本当は実数値は109が理想ですが、厳選中にA個体値低めの個体がたまたま出たのでこれで妥協しました。困ることも特になかったのでこれでよかったと思います)
シャドーレイ・・・メインウェポン。ツンデツンデの攻撃範囲と補完がとれており優秀。C実数値207からの一致威力100技なので削りとしては十分。
トリックルーム・・・採用理由。ツンデツンデと同居しているためバレる可能性は高いが、それでも相手は追い風の線も完全には切れないのが強みだと思います。
ワイドガード・・・BO3だと相手のグラカイの技を割っておけば封殺できるのが強いので採用。これがあるおかげで多少無茶な動きもできるし、かなり役に立ったのでいれたのは正解でした。
まもる・・・この構築でのルナアーラは温存してクッションにするか早い段階で切るかの判断が重要なポケモンであるため好きなタイミングで守れるかは重要。ファントムガードがある以上集中攻撃を誘う性質もあるため守るの優先度は高い。
ツンデツンデ
性格 さみしがり
特性 ビーストブースト
実数値 167-201-201-*-123-18(B個体値16・S個体値0)
努力値 244-252-0-0-12-0
持ち物 岩Z
技構成 ジャイロボール ストーンエッジ トリックルーム まもる
この構築の原点にしてエース。ルナアーラでトリックルームをはった後裏から降臨させ、あらゆる敵をなぎ倒してもらいます。自分が技を被弾する前に相手を倒しきる前提であり、ガオガエンに威嚇をいれられても相殺できる点が非常に強力なので性格はさみしがり。いったんビーストブーストが発動した場合まず止まらないので、ツンデツンデを選出する場合は他のポケモンはとにかくツンデツンデのサポートに徹します。(ガエンバレルでがっちりツンデを護衛したり、コケコルナアーラで相手をツンデの圏内に押し込んだり)
使い始めた当初に比べると他のプレイヤーのツンデ対処法がうまくなり、以前ほどの刺さり具合ではなくなりましたが、それでもなお強力なポケモンだったと思います
ジャイロボール・・・抜く理由がないメインウェポン。
ストーンエッジ・・・Z技にして最大威力を出すために採用。岩Zであれば威嚇が入ってもほぼ全てのガオガエンをワンパン可能。ルナアーラのシャドーレイとあわせればグラカイも処理可能。基本的にZ技にして撃ちますが、後々の展開まで考えると素のエッジを撃たないといけない場面もあるので覚悟は必要です。まあまあ外して萎えました。
トリックルーム・・・基本的にトリルはルナアーラに任せますが、ルナゼルネ系統などトリルを2回以上はって崩しに行く構築の場合はツンデツンデが2回目のトリルをはることが多かったです。その場合はガエンバレルでがっちりガードしながら万全の状態でトリルをはります。
まもる・・・構築を組み始めた当初はトリル下で攻め切る方針だったので身代わりをいれていましたが、ガルーラが増えて猫だまし+ジオコンゼルネの攻撃といった集中攻撃をくらう頻度が増えたため守るに変更。また、後発にルナツンデを置く場合、ツンデ守るルナトリルが決まれば勝ち確になる場面も多々あるためあると便利。
レックウザ
性格 陽気
特性 エアロック→デルタストリーム
実数値 204-212-121-*-128-171(メガシンカ後)
努力値 188-92-4-0-60-164
持ち物 フィラのみ
技構成 ガリョウテンセイ しんそく つるぎのまい まもる
B・・・A232メガレックウザの珠ガリョウテンセイ耐え
D・・・C189ルナアーラのムーンライトブラスター耐え
S・・・最速ウツロイド抜き
ツンデと双璧を成す本構築のエース。ルナアーラとレックウザの噛み合いがいいかと言われると何とも言えないのですが、
・トリルが切れた後の最後の詰めに向いている
・ツンデツンデが不利をとるグラカイに強い
・メガ枠と伝説枠を一気に担えるため、ルナツンデガエンという選出に噛み合う
という点からツンデツンデとの相性はいいだろうという判断でレックウザを採用。期待通りに活躍してくれたので採用したのは正解だったと思います。
型は一通り試しましたが、
・構築全体で相手のルナアーラが少し重いため、ルナアーラの前で余裕があるようにしたい
・トリックルーム中にツンデツンデで相手を縛りながら積む動きが強い
・ルナアーラ+ガオガエンorモロバレルという初手から、読み負けてor急所等の事故でルナアーラが倒れてしまっても相手にキノコのほうしやバークアウトをいれることができればそこからレックウザの起点にして巻き返すことも可能になる
といった理由から耐久ベースの剣舞型に。前述したような状況は実践の中で幾度も訪れたため、型は正解だったと断言できます。
唯一心残りがあるとすれば調整でしょうか。ガルーラとのS関係を明確にしたいということからウツロイド抜きまでSを伸ばしましたが、ガルーラはガエンバレルで腐らせることがほとんどであり、そもそもガルーラいりのルナゼルネにはレックウザを選出しないことも多かったためガルーラを必ず抜いておく必要性はありませんでした。ウツロイドもそもそも遭遇せず。一方で、積んだ後のガリョウテンセイのダメージがギリギリ足りず、グラードンやゼルネアスにミリ耐えされてしまった試合が少しあったので、意地っ張りにした方がよかったかもしれません。
ガリョウテンセイ・・・メインウェポン。鬼滅の呼吸でこういう型ありそう。
しんそく・・・これがあることでトリックルーム下であっても仕事ができます。積んだ後のしんそく+ツンデの岩Zでカイオーガを倒せたりと、動きに幅が広がります。
つるぎのまい・・・相手が見せた一瞬の隙を逃さないための切り札。使い方は前述の通り。
まもる・・・構築の火力の大部分を担っているエースなので簡単には倒されるわけにいかない。相手のレックウザやボーマンダの流星群の有無、コケコやエルフーンのフェアリーZの有無を確認するためにも重要性は高いです。
ガオガエン
性格 慎重
特性 威嚇
実数値 200-135-110-90-151-87
努力値 236-0-0-0-220-52
持ち物 マゴのみ
技構成 フレアドライブ バークアウト とんぼがえり ねこだまし
できるだけDにふったうえで、だいたいのガオガエンにS勝てると嬉しいので適当なラインまでSふり。ここまでDにふると無天候下でカイオーガの根源の波動をほぼ耐える。
毎度おなじみVGCの守り神。こいつの採用理由もはやいらなくないですか?一応役割をあげると
・VSルナアーラへのクッション
・威嚇猫バクアでトリルと剣舞のサポート
・最後に残ったナットレイやテッカグヤの始末
という感じ。だいたいの役割は2個目に収まりますが。ツンデツンデミラーが発生した時は威嚇を入れ直せるように出すタイミング、ひっこめるタイミングをより気を付けてました。あえて付け足すとしたらそれくらいです。グラードンやツンデツンデに対してやや強引に繰り出す場面が多かったので弱点技をくらった後にきれいに回復できるようにチョッキではなくきのみ。
フレアドライブ・・・ツンデツンデを意識してけたぐりにするかかなり悩みましたが、ツンデツンデの数が特別多いとは感じなかったことや、意外とナットレイやクチートへの打点が構築全体で乏しかったので素直にフレドラを搭載。
バークアウト・・・ガオガエン自身で相手を倒しに行くより味方のエースの生存率をあげる方が重要であるためバークアウト。
とんぼがえり・・・いつもの。レックウザやツンデツンデを無償降臨させたい。
ねこだまし・・・いつもの。戦況をひっくり返す大技が構築に多く搭載されているため、1ターンの隙が生まれるのは大きいです。
カプ・コケコ
性格 臆病
特性 エレキメイカー
実数値 145-*-105-147-96-200
努力値 0-0-0-252-4-252
持ち物 拘り眼鏡
技構成 10万ボルト マジカルシャイン ボルトチェンジ ほうでん
前述のように、VSオーガレック、イベルオーガ等ルナツンデだけではキツい部分を補うために採用された裏のエース。ただ攻撃するだけでなく、フィールドにより相手の催眠から味方を守る役割もあります。僕が個人的にこれまでのダブルバトルでコケコの扱い方が下手だったので、使い始めた当初はあまり信用していなかったのですが、いい意味で期待を裏切る活躍っぷりを見せました。眼鏡コケコの強みを改めて挙げると
・想定外の重い一撃を繰り出すことで勝負が一瞬で決まることもある。「Zはルナアーラかツンデのどちらかだろうから、コケコはチョッキで火力はない型だろう」と推測して動いてきたカイオーガは10万ボルトでほぼワンパン可能。
・マジカルシャインの雑な削りがバカにならず、後発のツンデツンデの射程圏内に押し込みやすくなるためルナツンデとの相性がよい。相手のレックウザがチョッキでないと割れていれば少し削ってマジカルシャインで倒しに行く動きも可能。
・コケコを裏に温存しつつダメージを与えられるボルトチェンジがやはり強い。電気の一貫がある構築はこれでかき乱して試合を有利に運べる
・耐久方面は心もとないが、早期に倒れたら倒れたでスムーズにトリルツンデ展開に持ち込めるため有利に働くことも多い
といった感じです。
チョッキで使っていた時より明らかに破壊力が増し、選出頻度もかなり増えました。選出した試合の勝率も非常に高かったのでよかったです。
この枠に同じVSオーガレック枠としてミミッキュをいれていた時期もありましたが、フィールドによる催眠耐性、全体技の有無に関してコケコの方が優れていました。あと、ミミッキュはオーガレックには強いものの取り巻きのコケコガエン+鋼のサイクルをなかなか崩せないのがもどかしかった。
10万ボルト・・・メインウェポン、と言いたいところですが、そこまで使用頻度は高くなかったです。詰めの場面かカイオーガを狙い撃ちするときに使います。舐めて動いてくるカイオーガを幾度となく地獄送りにしました。
マジカルシャイン・・・実質メインウェポン。コケコを雑に切っても構わないと判断した時はこれを連打して裏のエースの圏内に押し込みます。
ボルトチェンジ・・・コケコの強さを支える技。しかし引き先の味方が大ダメージを負っては本末転倒なので、押すべきかどうかよく考えないとえらい目にあいます(戒め)
ほうでん・・・技枠があまったのと、強い全体技ないしいれるか~くらいの軽い気持ちでいれたらこの技のおかげで世界大会で3試合拾いました。カイオーガ+この指要員の並びを崩したり、削れた相手2体を択に持ち込まずにまとめて吹き飛ばしたりと大活躍でした。
(あと、イベルオーガ相手にレックウザが冷ビ一発で凍って終わったと思ったらコケコがほうでんでオーガガエンバレル全員麻痺バグさせて逆転勝ちしました。ほうでんは神)
モロバレル
性格 図太い
特性 再生力
実数値219-*-116-105-119-50
努力値 236-0-124-0-148-0
持ち物 オッカのみ
技構成 くさむすび キノコのほうし いかりのこな まもる
B・・・C189ルナアーラのサイコショック耐え
D・・・C189ルナアーラのムーンライトブラスター耐え、C177化身トルネロスの暴風耐え
世界大会直前までこの枠にはモロバレルをいれるかレヒレをいれるか悩みに悩んだのですが、
・ガルーラ絡みの構築を妨害するならバレルの方が優れている
・レックウザ、ルナアーラ、ツンデツンデのどれと並べてもシナジーがある
・構築相性的に不利をとる相手に当たってしまっても、催眠ターン次第では相性差をひっくり返すだけの誤魔化し性能がある
といった理由からモロバレルを採用。特に一番最後の理由が採用の後押しとなりました。ガルーラいりのグラゼルネやルナゼルネを相手にする際はルナアーラが仕事できるか怪しいので、モロバレルで強引に胞子をばら撒き、レックウザやツンデツンデのサポートをしてもらいます。
グラゼルネに出してグラードンの前で動けるようにしないとお話にならなかったので持ち物はオッカのみ。グラードンだけでなくガオガエンの前でも行動保障がつくのは非常に心強く、出した試合のほとんどでオッカは発動しました。少し削れた状況でグラードンの炎技を受けないといけない場面が多かったため襷は却下。ネクロズマが多かったためウタンも候補でしたがそれ以上に数の多いVSグラードンを優先しました。
このポケモン、ウルトラルールが始まってから全国大会後くらいまでは個人的な評価が低かったのですが、ツンデツンデのサポート性能が高い点や数を増やしたガルーラ構築への誤魔化し性能が高いこともあって今ではウルトラルールでも屈指の強さを持っていると認識しています。使っても使われても強かったです。
ちなみにレヒレをいれるか悩んだのは単純にグラードンへの打点やガエンレヒレのサポートからのレックウザ展開が強そうだった、という理由になります。ただ、バレルの怒りの粉サポートがあるおかげでルナゼルネやイベルタル相手にも戦うことができたので、バレルでよかったと思います。
性格についてですが、ツンデツンデのジャイロボールをくらうことは皆無で、むしろイカサマが思ったより痛いことに気づいたのでA下降補正をかけました。
くさむすび・・・グラードン構築に多く出すことを想定していたため一番グラードンにダメージが入るくさむすびを選択。イカサマも候補でした。
キノコのほうし・・・モロバレル最強の武器。本来なら縛られている相手にもオッカやトリルを絡めることで強引に眠らせ、エースのサポートができます。
いかりのこな・・・抜いてもいいかなと思った時期もありましたが、ないと詰めの段階でしょうもない負け方することがあるので抜けません。構築単位でキツいイベルタルのイカサマからレックウザを守るためにも必須。
まもる・・・集中攻撃やZ技をくらうタイミングがわかりやすいので必須。
選出とか
この構築にはこれ‼︎というのは敢えて書かずに簡単に書きます。
①先発+or
後発+or
当初の構築コンセプト。出せる相手は減ったものの通れば強力。終盤にツンデツンデとレックウザを並べて上下から挟み撃ちにする展開を狙います。
②先発+or
後発+or
モロバレルの通りがよいorルナアーラの刺さりが悪い時。胞子を連打してその隙にレックウザかツンデツンデを通します。
③先発+or or
後発 先発2体以外から選択。
カイオーガやイベルタル絡みの、コケコを刺していきたい構築に対して。コケコのボルチェンで場を荒らしてから再びコケコを降臨させて〆るか、ツンデで〆るかを考えます。
④先発 +or
後発 +or
ゼルネ絡みのトリルを2回以上貼って崩しにいきたい構築や、ゼルネガルガエンなどレックウザが機能しにくいと感じた構築に対して。万全の状態を整えてからツンデツンデを降臨させます。この手の構築はモロバレルの処理に手間取ることが多いはずなので、バレルツンデをいかに動かすかが鍵です。
もう7世代も終わるし世界大会からだいぶ経つので感想は簡潔に。
強かったです。今まで僕が使ってきた構築のなかでは間違いなく一番の完成度であり、「絶望的に不利なマッチがなく、多少の有利不利ならプレイング次第でひっくり返せる」という理想をほぼ100%叶えてくれていました。実際、天敵であるイベルタルいりの構築に対して大事な場面で何度も勝利に導いてくれました。
これでも世界大会でトップカットに残れなかったのは、僕が負けた相手が強く、僕が弱かった。ただそれだけです。細かい反省点を挙げればキリがないですけどね。
ただ、あっさり終わってしまった去年のday2に比べれば、確実に強くはなっていると感じることもできました。
8世代になってからもチャレンジャー精神を忘れず、またこの舞台に戻り、今度こそトップカットに残れるよう励んでいきます。
Special thanks
・スボミーさん(ルナレックの原案を渡してくれた。世界大会までの間、何度も通話に付き合ってくれたり旅の手配までしていただいてありがとうございました)
・カンザキさん、さしすさん(最終的に使った構築は別になったものの、ルナレックの考察を一緒にしてくれた。旅の道中でも何かと助けてもらいましたが、大会中にご飯調達してくれたり応援してもらったりと本当に助かりました。感謝してます)
・SNOWさん(SNOWさんのルナレックの記事がなければ始まらなかったと言っても過言ではありません)
・会場で、そして日本から時差があるにも関わらず応援してくれた皆さん
・ここまで読んでくださった方々
・(出発前夜に図太いモロバレルの親をくれたキムラコウヘイ)