INC A 使用構築(最高最終1845・9位) 偽装ドラパセキタンザン~殺戮の歌姫グッドスタッフ
お久しぶりです。リンヤです。先日行われたINC Aprilで、(本来であれば)予選を抜けているであろうレートをマークできたので、使用構築を残しておこうと思います。
前回の反省を踏まえ、
・なるべく運ゲされない構築を組む
・チキらずに100%安全といえるラインまでレートを上げる
ことを第一に考え、実行しました。今回の使用構築はこちらです。
「ドラパルトとセキタンザンの持ち物逆だろwwww」って虚空に突っ込んだそこのアナタ。間違ってないです。順を追って経緯を説明していきます。ちなみにこれとほぼ同じ構築を使用したシャンディさんはレート1839の29位、アシレーヌ→ミロカロスで使用したらきさんはレート1849の2位と好成績をマークしているため、構築コンセプトがとても強かったと断言できます。
<構築経緯>
前回のINCが終わって少し落ち着いてからは、ドラパルトバンギラスミミッキュを中心としたファントムビートに近い構築を回して練習していました。 もともとドラパルトやミミッキュは以前の構築で使っていて扱いに慣れていたということもあり、感触もよかったのでこれで本番に挑もうと考えていました。
しかし、直前の調整で壁+催眠ミロカロスに多く遭遇し、かなり苦しめられたためこのままでは勝てないと判断しました。よって、自分がある程度使い慣れている構築をベースにした、より強力でかつ催眠に屈しない構築を用意する必要に迫られました。その時、シャンディさんがカエールパをベースにした強そうな構築を使っているのを思い出したので、それを真似てみることにしました。
ミロカロス→アシレーヌ、ウインディ→ガオガエンとなっており、ナットレイが鉄壁ボディプレス型だったのが特徴的でした。ここでまず強いと感じたのがアシレーヌのパワー。ミロカロスを更に上回る火力を有しており、雨下の珠ダイストリームはサマヨールを乱数次第で吹き飛ばすだけの火力があります。また、ミロカロスのチャームボイス媒体のダイフェアリーの2倍近い火力のダイフェアリーを放つことができるため、パワーを落とすことなく催眠対策ができる点に魅力を感じました。
また、INC終了以降ファントムビート系の物理方面から役割集中をかける構築が急増したことや、ガオガエンが解禁されたこともあり、鉄壁ナットレイも非常に環境に刺さっていると感じました。一発勝負のインターネット大会においては、このような初見殺しを詰め込むこともプラスになりますしね。
実際、アシレーヌ+サマヨール+ナットレイ+ミミッキュは非常に強力で、実際INC本番でもほぼこの選出で勝つことができていました。
ではこの並びの一番の弱点は何か...。そう、リザードン+フシギバナ+コータスです。
もともとリザードン+コータスの並び自体は存在はしていましたが、フシギバナが解禁されたことによりより数を増やしました。サマヨールを晴れ珠キョダイゴクエンで破壊してくる、晴れによりアシレーヌの水技が弱まる、一番太い詰め筋であるナットレイも特殊炎2枚の前には歯が立たない、万が一勝てそうになったとしてもフシギバナの眠り粉がある...と、どう転んでも勝ち目がない最悪の相手です。ドラパルト+ガオガエン、ドラパルト+バンギラス等補完も試してみましたが、なかなか安定しません。やっぱ眠り粉ってクソだわこれを解決しないことにはなかなか持ち込めない状態でした。
また、基本的にトリルを張りながらアシレーヌで攻め、最後にナットレイで詰めるというコンセプトであったため、ピッピ+ロトムやピッピ+パッチラゴンといったピッピ+電気タイプの組み合わせも苦手です。ピッピを一撃では倒せないため、その間にロトムに悪だくみされたりパッチラゴンに暴れられたりしたら勝ち目が薄い。バルドルパやそそれに近いパーティ、そして某サイトで結果を残した(らしい)ピッピ+パッチラゴンもかなりマッチングすると考えていたので、その並びにも勝てるようにする必要がありました。
そんなこんなで、「詰まってる要素は絶対に強いのに補完が決まらないな~」という状態が続いていたのですが、僕が崇拝する某VGCプレイヤーが「ドラパセキタンザン突っ込んでみたら強そうスボ」と言っていたので、試しにその4体に突っ込んでみました。遊び感覚で回していたのですが、「なんかリザードン系統にも勝てるし、これはいけるんじゃないか?」という気がしてきました。実際、リザードン側もセキタンザンはかなり嫌がる要素であることは間違いないので、方向性はあっていると感じました。
しかしここでまた問題が。リザードン構築をセキタンザンで全て破壊できるかというとそうではなく、ドサイドン+サマヨールを擁してセキタンザンを迎撃する構えをとっている構築も予想より多いと感じました。これだとせっかくセキタンザンにダイマックスを切っても、一度動いただけで死んでしまうからもったいないですよね。リザードン系統に限らず、このご時世で「ロトムもドリュウズもバンギラスもサマヨールもこの指もいない構築」ってものがほぼ存在しないんですよね。つまりみんな無意識のうちにセキタンザンを対策しているんです。こうなってくるとドラパセキタンザンに頼るのもリスクが高い。しかし僕は頭と性格が悪い人間なのであることを思いつきました。
「みんなドラパセキタンザンみたらセキタンザンがダイマックスするって決めつけてるし、ここでドラパルトがダイマックスしたら対応できないんじゃね?」「セキタンザンにヘイト集めてるうちにドラパルトがフリーでダイホロウ連打できたら勝ちでは?」
普通だったら大事な大会直前にこんな頭悪いこと考えないんですが、なんか吹っ切れたというか、試してみたい衝動が抑えきれなくなって、ドラパルトをダイマックス前提の弱点保険型、セキタンザンを襷持ちで試運転しました。めちゃくちゃハマりました。
みんなセキタンザンにダイストリームやダイアース飛ばしてくるので案の定ドラパルトがフリーで動くことができ、そのままダイホロウ+フレアドライブやダイホロウ+大爆発で相手に甚大な被害を与え、そのアドバンテージを終盤まで維持して勝利、という試合が多く、この偽装ドラパセキタンザンを持ち込むことを決めました。本当に偶然ですが、アシレーヌ軸が苦手とする構築を綺麗にカバーすることができていたのです。最初から「それは流石にネタだろ」って決めつけずに試してみるって大事ですね。
それでは個別解説に入ります。
<個別解説>
性格 控えめ
特性 激流
実数値 185-*-94-189-136-89
努力値 236-0-0-204-0-68
持ち物 命の珠
C・・・ダイアイスでH192-D135トゲキッスを確一
S・・・大体のバンギラスを抜けるように気持ちSふり
構築の始点かつ絶対的なエースです。こいつが一回動くたびに相手が一体死ぬので、破壊神と化していました。ダイマエースとしてミロカロスと性能を比較するのがわかりやすので先に挙げます。
利点
・耐久が高く、ダイマックスターン中にやられることは少ない
・勝気によりサマヨールを狙ったダイホロウ・ダイアークを利用できる
・ダイアースがあるためジュラルドンやストリンダ―の相手がしやすく、D上昇が味方のナットレイやサマヨールとの相性がよい
・Sがアシレーヌより高く、バンギラスやニンフィアとのS関係を明確にしやすい
欠点
・勝気によるC上昇がないと火力はやや足りない
・水技以外の火力の都合上、水タイプやオーロンゲを高速処理することはできない
・カエールパが有名であるため、型が読まれやすい
利点
・とにかく火力が高い。タイプ一致技で弱点をつけばダイマックスポケモンでも一撃、一般ポケモンであれば等倍打点でも一撃で倒せることが多い
・高威力のダイフェアリーを撃てるため、オーロンゲや水タイプにも重い一撃を与えることができる。また、強い技で自然と状態異常耐性がつけられる。
・当時はそこまでメジャーなポケモンではなかったため、相手に持ち物や技構成、ダイマックスするかしないかが読まれにくい。アシレーヌのダメージ感覚を理解できているプレイヤーが少ない。 火力が高すぎて自分でも把握しきれませんでした
・アクアジェットを覚えるため、相手にセキタンザン+アシレーヌで蒸気機関コンボを警戒させることができる
欠点
・ミロカロスと比較すると耐久はかなり劣る。特殊方面はともかく、物理方面で集中攻撃をくらうとダイマックス中でもやられる可能性がある。
・勝気がないため、サマヨールを狙ったダイホロウ・ダイアークを咎めることができない
だいたいこれで説明はできたかと思います。ミロカロスと比較したときのアシレーヌの一番のメリットは、オーロンゲを一撃で倒せる点だと思います。性能を比較するために両方試し、どちらも自分の期待通りに動くことはできていたのですが、ミロカロスを使用した際の一番の懸念事項はオーロンゲの処理に2手かかってしまうことでした。オーロンゲは挑発・嘘泣き・脱出ボタントリック・壁はりなど、トリル軸もドラパ軸も妨害する手段をたくさん持っているため、早急に処理しないといけません。オーロンゲいりの構築はそこそこマッチングしたため、比較的楽に対処できる点ではアシレーヌに軍配があがります。また、この構築では相手目線から見たダイマエースがセキタンザンになるので、アシレーヌが本命のダイマエースであることをカモフラージュできていた点もよかったと思います。が、上で列挙したように両者共にメリットデメリットあるので、環境や取り巻き、自分の好みにあわせて使うのがいいと思います。
VSバンドリにおいてアシレーヌがバンギラスの上をとれているとかなり楽になるので少しSに割きました。ほぼほぼバンギラスの上をとれてはいましたが、ごく稀に負けていてキツい試合もあったので、もう少しSを上げてもよかったかもしれません。
ハイドロカノン・・・メインウェポン。ダイマックスが切れた後もアシレーヌが生き残ることは稀なので、生きている間に相手に最大限負荷をかけることを考えて選択。D上昇したダイマドリュウズですら乱数で吹き飛ばすパワーがあり、等倍以上で耐えられる通常ポケモンはそういません。
ムーンフォース・・・ミロカロスにはないアシレーヌの武器。これと水技でほぼ全ての相手に大ダメージを与えられます。
吹雪・・・範囲がムーンフォースとやや被りますが、ダイアイスでエルフーンを襷ごと貫いて倒す、トゲキッスを一撃で倒すためにも必須。
守る・・・直前までエナジーボールと悩んだ枠。エナジーボールを放棄する=ミロカロスにはない強みを潰してしまうという懸念もありましたが、エナジーボールの有無で勝敗が決する場面よりも守るの存在が大きいと判断し、守るを搭載しました。結果、エナジーボールがないせいで負けた試合はなく、守るで3戦ほど拾ったので正解でした。
性格 呑気
特性 お見通し
実数値 147-*-187-*-163-27(S個体値0)
努力値 252-0-132-0-124-0
持ち物 進化の輝石
技構成 ナイトヘッド トリックルーム 痛み分け サイドチェンジ
B・・・A172珠ドラパルトのダイホロウ耐え
ガラル地方最強のトリックルーム使い。火力はあるものの耐久も素早さも中途半端なアシレーヌをサポートします。あくまでアシレーヌとナットレイが構築の主軸となるので、サマヨールもそれをサポートするのに一番適した技構成にし、サマヨール単体としても一番強い型にしました。
ナイトヘッド・・・アシレーヌの攻撃でギリギリ落とせない相手を圏内に押し込むのに非常に便利でした。ミラーでもあるとないとで全然違うので、トリルを主軸にするならやはり欲しいですね。ドラパルトはあくまで裏選出であり、味方影うち弱点保険を狙うよりも単体での削り性能を高めたかったので影うちはなし。
トリックルーム・・・存在意義。
痛み分け・・・サマヨールが生き残ることが後続のナットレイの生存率を上げることにも繋がるため搭載。ギリギリで生き残ることが多く、使用頻度も高かったです。使い勝手よくてびっくりしました。
サイドチェンジ・・・茂樹の呼吸、終の型。エルフーンの挑発をすかしたり、自身に飛んでくるダイアークをアシレーヌで受けたりと、なんやかんやでめっちゃ使うゴミ神技。あるかもしれないとわかってても初っ端からサマヨールの隣に挑発うつほど強心臓な人間はまずいないので、一回は押し得だと思います。使えるモンは使いましょう。
性格 図太い
特性 鉄の棘
実数値 181-*-201-*-137-40
努力値 252-0-252-0-4-0
持ち物 食べ残し
技構成 ボディプレス 鉄壁 守る 宿り木の種
本構築のMVP。物理方面での役割集中構築の増加、物理型が主流のガオガエンの解禁、ラプラスの解禁と役割対象が大幅に増加したことにより非常に強力な駒として機能しました。普通の型のナットレイでも倒すのは困難ですが、
・アシレーヌで残数を減らして
・アシレーヌで雨を降らせて
・サマヨールのサイドチェンジの加護を受けながら
・トリル下で鉄壁を積むナットレイ
を突破するのは至難の業です。勝ち試合のほとんどがこれに該当します。この型のナットレイが認知されていないことも追い風でした。苦手なガオガエンやローブシンにも勝てる一方で、草・鋼打点がない影響で本来は勝てるトゲキッスやニンフィアに打点がありません。そのため、「アシレーヌでどのタイミングで雨を降らせるか」「誰を狙えば相手の後続を引きずり出しやすくなるか」を見据えてプレイする必要があります。逆に言えばその処理を的確に行うことができれば勝てます。
後で気づいたのですが、このSだと最遅ドサイドンと同速になってしまうのでSを1あげてS関係を明白にするべきでしたね。ナットレイにダイマを切らなければならない場面は皆無で、イカサマのダメージを抑えたかったので図太いにしました。が、正直影響なかったし悪あがきのダメージをあげたい場面もあるかもしれないのでどっちでもいいです。
ボディプレス・・・唯一の攻撃技。鉄壁とあわせて霊・妖以外のほぼ全ての相手を処理できます。
鉄壁・・・数多の対戦相手を絶望させた悪魔の技。本構築のコンセプト。トリルと絡めて積めるとより凶悪さを増します。
守る・・・相手を詰ませる重要な駒であるため必須。守りながら横でトリル→トリル下で鉄壁と動くことで勝てる相手が増える・食べ残しとのシナジーも。
宿り木の種・・・ローブシンや自信過剰ギャラドスに確実に勝つために採用。この型のナットレイであれば必須だろうという固定観念もあって採用しましたが、放射搭載トゲキッスに負けた試合もあったため、ジャイロボールをいれてもよかったかもしれません。
性格 意地っ張り
特性 化けの皮
実数値 149-156-100-*-125-130
努力値 148-252-0-0-0-108
持ち物 呪いのお札
技構成 シャドークロー ウッドハンマー 影うち トリックルーム
S・・・最速マホイップ+3
サマヨールが倒された後の第二のトリックルーム起動、アシレーヌが倒しきれなかった相手を始末する駒として採用。また、基本選出だとラプラスマホイップのデココンボを止められないため、ドラパルトとあわせて上から倒します。ナットレイが草技を持っていないため水タイプの処理が遅れがちなのですが、ミミッキュがそこを綺麗にカバーしてくれます。じゃれつくを切った理由としては、
・じゃれつくをうちたい相手(ローブシンやウオノラゴン)はナットレイで詰めることができる
・リザバナコータス系統を相手にする際、炎タイプに通る霊技が欲しい。また、ナットレイのボディプレスがきかない霊を相手にするためにも、霊技の打点を重視したい
といった理由からこの構成に。じゃれつくを切るのは流石に勇気がいりましたが、じゃれつくがないせいで負けた試合はなく、採用した技は全て思惑通り機能したのでよかったです。技構成については言いたいこと全て言ったので省略します。
ロトムドサイドンドラパルトラプラスをはじめとする面倒なポケモンのストッパーとなってくれることが多かったのでやはり便利でした。
ドラパルト
性格 陽気
特性 クリアボディ
実数値 191-161-95-*-95-195
努力値 220-164-0-0-0-124
持ち物 弱点保険
B・・・A211五里霧中ヒヒダルマのつらら落としをダイマックス時に確定耐え
アシレーヌナットレイだと勝てないリザバナコータス・ピッピ+ロトムパッチラゴン・ラプラスマホイップを倒すために採用された裏のエース。構築経緯の項で述べた通り、蒸気機関起動のための波乗り搭載型ではなく、ダイマックス前提の型となっています。
くるとわかっていてもダイマックスドラパルトを迎え撃つのは難しいですが、セキタンザンがダイマックスすると思い込んで選出・行動してくる相手の予想を裏切って唐突にダイマックスして殴り始めるドラパルト、強くないわけがありません。そして相手が気付いた時にはもう手遅れです。セキタンザンが相手のダイマックス技を引き付けてくれる隙にダイホロウで相手が倒れるまで殴り続け、セキタンザンが倒れたらミミッキュを出して攻め続けるというムーブが強力でした。
持ち物は、ギミック偽装がうまくハマった時に大きなアドバンテージを得られる(例えば、襷を割ろうとしてトゲキッスがマジカルシャインを撃ってくることが多い)弱点保険か、VSリザバナコータスをより楽にできるラムのみで悩みましたが、弱点保険を選択しました。
というのも、ドラパセキタンザンVSコータスフシギバナといった対面ができた際、相手としてはセキタンザンに大地の力orダイアースを撃ってワンパンしたいという意識が強くなるため、仮に眠り粉が飛んでくるとしてもセキタンザン方向の可能性が高く、ドラパルトのラムのみが有効に働く場面は少ないだろうと判断したからです。そもそもドラパセキタンザンを眠り粉で止めようなんて甘い考えの人間には最長眠りさえしなければプレイングで捲り返せます。最長眠りひいたら相手がポケモンうますぎるので諦めて次にいきましょう...。
実際、ラムのみが欲しい場面は遭遇せず、相手が軽い気持ちで撃ったであろうシャインや悪の波動で弱点保険が発動し、勝ち確になることが多かったです。ドラパルトがダイジェット一回で晴れ下の葉緑素フシギバナをぬけるのが本当に偉い。
余談ですが、僕はドラパルトってポケモンがとても好きです。名前や見た目も好きだけど、戦うために生まれてきたような性能してるのすこれる。
ドラゴンアロー・・・ダイドラグーンを撃つために必要。ラス一でリザードンやコータスとタイマンすることが多く、少しでも火力が欲しかったのでドラゴンクロ―ではなくアローを採用。守るにビビらなくて済むのもよい。
ゴーストダイブ・・ダイホロウを撃つために必要。基本的にドラパルトを選出する時は死ぬまでダイホロウ連打します。
アクロバット・・・Sを一段階上げることで晴れ下のフシギバナを抜けるためダイジェットは必須です。フェアリータイプを即座に殴れる点を評価してアクロバット。
守る・・・ドラパルトがダイマックスすることに気づいた相手は攻撃の矛先をドラパルトに変えてセキタンザンを放置してくる傾向が強いため、ダイウォールが非常に強力です。先行ダイマから守る→ゴーストダイブで相手の後発ダイマからも逃げやすいです。
セキタンザン(キョダイマックス個体)
性格 意地っ張り
特性 蒸気機関
実数値 213-145-140-*-110-55
努力値 220-252-0-0-0-36
持ち物 気合いの襷
技構成 フレアドライブ 岩雪崩 大爆発 守る
偽装要員その2。このポケモン一体だけで見た際の単体性能は失神するレベルで低いですが、ドラパルトと組ませて選出画面で相手を威圧することで真価を発揮できます。ちゃんとドラパセキタンザン対策をしてくるわかり手にはこちらが用意したプランが通る、対策してこない相手はプレイングで圧倒できる、といったようにどちらに転んでもうまくいきます。選出する際はドラパルトとセットで、相手にあわせて適当な攻撃技を選択してドラパルトの補助をします。
ダイストリームを食らって襷で耐えた後に上から雪崩や爆発する動きが強いので特性は従来のもの通り、蒸気機関としました。一応キョダイマックス個体はにはしたものの、一度もダイマックスはしませんでした。トリル下で運用したり、生き残った際に温存して相手の裏にいるリザードンやトゲキッスを倒してもらうことも想定していたため、必要最低限だけSにふって残りは耐久に回しました。
本当にどうでもいいことですが、「ドラパセキタンザンて出してお見通しされたら気まずくなるけど、こいつら韓国語ROMで厳選すればお見通しされてもどっちが襷でどっちが保険かわからなくなるやろwwもらったわww」と勝手にバカ騒ぎしてました。当然用意する時間はありませんでした。
でも持ち物わかりにくくするために韓国語ROMでポケモン厳選するのってまあまあ戦略的ではあると思うので、頑張ってハングル勉強しようと思います。
フレアドライブ・・・メインウェポン。ドラパルトのダイホロウとあわせるとダイマドリュも飛ばせる。
岩雪崩・・・リザードンやトゲキッス、その他雑な削りに。ダイホロウとあわせればマシな火力にはなります。
大爆発・・・ピッピ絡みの並びを一気に削ったり、襷で耐えた後の最後っ屁として。即座に爆発せずに温存した方がいい場面もあるので、相手の裏を予想して使ってました。
守る・・・相手の裏にリザードンやトゲキッス、ナットレイ等がいそうな際には温存したいので採用。リフレクターも試しましたが守るの方が使える場面が多かったです。
<選出・立ち回り>
基本選出
先発+
後発+
7~8割型はこれでいけます。基本的にはダイマックスしないであろうポケモンをアシレーヌで倒しながら残数有利をとり、最後はナットレイで詰ませるかミミッキュで削り切ります。多少キツい相手でもサイチェン仕掛けるか一点読み通せばどうなることがほとんどでした。
この選出をした際は初手からアシレーヌをダイマックスさせることがほとんどですが、
・アシレーヌの攻撃が一貫性があるものが多く、また火力も高いため交代されたとしても十分ダメージを蓄積させることができる
・ダイマックスアシレーヌとサマヨールはどちらも倒されにくいが、アシレーヌは一方的に相手を倒すだけの火力を持っているため一方的に残数有利をとりやすい
・ダイマックスが切れた後も、耐久が高いサマヨール、鉄壁ナットレイ、化けの皮があるミミッキュと相手の攻撃を凌ぎやすいポケモンが多い
という要素があるため、相手の後発ダイマックスに押し切られて逆転負けすることはなかったです。
VSリザバナコータス、ピッピ+電気
先発+
後発 刺さっているポケモンを2体
アシレーヌサマヨールで対応できない相手への奇襲を狙った選出です。相手がセキタンザンにヘイトを集めている隙にドラパルトでひたすら殴ります。後発は相手に刺さっている駒を適宜選択といった形をとっていました。相手が初手できちんとセキタンザンを警戒した動きをとってきてくれた場合はほぼ勝ちです。
<雑感等>
ベースとなった構築、取り込まれた環境メタ要素、基本選出が非常に強く、結果として構築も完成度が高いものになりました。今回は、「この構築にはこの選出、この動きをする」「このタイプの構築はこうしてくる傾向が強い」といった分析をそこまで綿密には行わなかったのですが、基本選出が強くてほぼ全てに対応できていたこと、サマヨールを使ったトリックルーム構築を使い慣れていたこともあり問題ありませんでした。
また、今回は「構築に完璧を求め過ぎない」ことにしました。僕は自分の構築を使っている時も他の人の構築を見ている時も「その構築の強みよりも弱みに目がいってしまう」という悪い癖があります。例えば、2019ルールでイベルタルいりの強そうな構築を見ても、「これグラゼルネにどうやって勝つんだろう?」って考えばかりが浮かんでしまうとか。
でもそれって損してるよなって今は思います。ポケモンは「完成度が高い構築」はできても「全てに有利がとれる完璧な構築」はできません。できないように作られています。だから、「一番流行している構築に何しても勝てない」とかではないのであれば、多少弱点があっても自分の立ち回りと、「相手目線でどのように見えているか」といった読みでカバーすればいいんです。
例えば、去年の世界大会でカエールさんが使ったグラネクロの構築記事を見ても「全てに対応することは難しいからイベルタルへの対策は甘めにした」という旨の記載がされています。ですが、彼はイベルタルに負けたしても他の構築にはしっかりと勝っていたり、苦手なイベルタルをひいたとしても最後にブラッキーとのタイマンに持ち込むことで勝利したりと、「構築段階で取捨選択をしながらも自分の立ち回りの工夫で対処する」という行為を見事に実行しています。これがポケモンで勝つために必要なことであり、その割り切りができる度胸があるからこそ彼は強いのでしょう。
今回僕が使ったこの構築も、「自分だけが把握している構築情報」と「相手目線から予想される構築の中身」のギャップを最大限利用することで勝ち星を挙げることができました。細かい弱点もありましたが、ギミックを偽装することや立ち回りを工夫することでうまいことカバーできたのはよかったです。
また、インターネット予選では自分よりも強い人に勝てなくても抜けることはできます。構築の完成度や初見殺し性能が高ければ、満足に調整できなかったり、プレミで落としてしまう試合があったとしても抜けラインには到達できます。また、構築に多少穴があったとしても、事前に試運転を十分に行っておけば、相手の選出や立ち回りの予想・ダメージ感覚等が正確になり、プレイングがよくなるため抜けラインに到達できる可能性は高くなります。
どちらかを満たせていれば結果はついてくるから、あまり完璧を求めすぎるのもよくないかな、って思いました。消極的に構築の弱いところを探すだけじゃなくて、構築の強いところを自分で理解してあげて、その強みを積極的に活かすプレイングをすることが大事なんだなって。
ということで長い独り言終わり。今回のINCの結果が今後の全国大会、世界大会への権利に繋がりそうにないのが残念ですが、個人的には前回のリベンジ、環境を意識した構築作りができた点は満足しています。リバティノートさん主催の大会(https://liberty-note.com/2020/04/26/inc-tournament-online-2020/)への参加権も獲得できたので、また強い構築を作っていけたらと考えています。
無駄話もあり大変長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。また、アシレーヌ+ナットレイのアイデアをくれたシャンディさん、一緒に考察をしてくれたスボミーさんとらきさんに圧倒的感謝。
シャンディさんの構築記事
らきさんの構築記事