WCS2018 day1&day2使用構築 テテフグロス・エターナル
先日ナッシュビルで行われた世界大会も終わり、VGC2018も幕を閉じたということで、僕がテテフグロスと歩んできたこのルールの卒業論文を執筆しました。
本構築を使用し、世界大会のday1を7-2(◯×◯×◯◯◯◯◯)で突破し、day2は4-3(◯×××◯◯◯)で30位という結果に終わりました。day1を突破できたのは本当に嬉しかったですが、day2では自分の実力不足を痛感しました。自分の考え方やプレイングは間違っていなかったと認識しながらも、もう一つ先の段階に進まなければトップカットには残れないとわかっただけでも収穫でした。良かったところ、悪かったところを振り返りながらまた先に進んでいこうと思います。自分語りはこのくらいにしといて構築紹介に移ります。
【構築経緯】
①メタグロスの選択
全国大会が終わってからはガルーラやボーマンダをはじめ、様々なメガ枠の構築を試して回してみましたが、これまでに愛用してきたメタグロス以上に扱いやすい構築がなかったので世界大会もメタグロスを主軸に据えることは早い段階で決まりました。
他のポケモンと比べてなぜメタグロスは個人的に使いやすかったのかを考えてみると
・非常に高い能力値
・運勝ちが狙える技をたくさん仕込める
・仕込む技次第で相手を意識の外から縛ることができ、一種の初見殺しを狙いやすい
・鋼・超という耐性のおかげでボーマンダ、やカプ・テテフといったような破壊力のあるポケモンにも殴り勝ちやすい
といった要素が詰まっているからだと認識しました。どの要素も非常に強力ですが、個人的に評価が高いのは耐性面でした。実際他のメガを主軸に添えている時よりも安定感がありましたし、倒れるまでに相手にどのくらい負担をかけてくれるのかがある程度計算しやすい点が全体のゲームプランを立てていく上で強い要素であったのではないか、と考えています。(仮にびっくりZ技に初見殺しされてもBO3であれば修正がききやすい)
逆に弱い点としては
・能力を上昇させる技が基本的に入らないため耐久ポケモンの突破に苦労することがある
・炎と水を通してしまうため、リザードン構築と雨構築への味方の負担が増える
・単体技が主軸になるため、誰を狙うかをしっかり考えなければいけない
が挙げられるので、今回もそれを味方でカバーできるように心がけました。一番最後の弱点はカバーしきれたとは言い難いのですが、他の2点に関してはしっかりカバーできたと思います。
②スイッチトリル要素の追加
色々回していくうちに、「全体的にトリックルームに薄いPTが多くないか?」と感じたため、グロス構築にスイッチトリルの要素をいれようと考えました。メタグロス自身は追い風の方が恩恵を受けやすいですが、追い風ミラーになるよりかは一方的にトリックルームの脅威を相手に押し付けた方がスタンパ同士の殴りあいになった方が有利であったり、グロス構築を使ってきた経験上相手に一方的に追い風をはらせてしまうと苦しいことは理解していたので、今回はS操作をトリックルームにすることにしました。
当初はを組み込み、トリル・晴れ下でヒードランを暴れさせるのが強いのではないか?と試していたのですが、相手のレヒレクレセドランの並びを崩すのが困難だったことやあまりにも水の一貫性が増してしまうのがネックだったためお払い箱に。
しかし、その並びを使っていた時に(晴れ下であったとしても)相手のオニシズクモに苦戦させられたので、試しにオニシズクモをトリルエースとして回してみたところ、非常に強力であったためオニシズクモの採用を決めました。ちょうどリザドランが流行りはじめていたこともあり、余裕を持って炎技を受けつつ返しの攻撃で致命傷を与えられるクモ
は最適でした。
③相棒、再び
とりあえずグロス+クモ+トリル要員+威嚇という構図までは定まってきたのですが、ここで残りの駒に求められる要素として
・相手のコケコどうにかしてくれ
・まだVSリザードンが不安
・ゲンガー構築もまだヤバそう
・数は少ないだろうけど雨ひいたら終わる
・レヒレに隙見せたらダルい
…といった課題が山積みでした。
どのようにこの穴を埋めていこうか悩んでいた時に、同じくグロスを軸にした構築を考えていたなさにえる君(@Nathaniel_732)から、チョッキテテフという案を教えてもらいました。彼も雨やゲンガーに対して耐性をつけるために採用したと言っていた(確か)ため、自分も軽い気持ちで試してみたところ、特殊方面の殴り合いに非常に強く使用感がよかったことと、メタグロスの弱点をかなりカバーできていると感じていたため採用を決定。使用感についてはまた個別解説の欄で触れます。
その後、トリル要員をクレセにするかポリ2にするか、威嚇はランドガエンどちらにするか、ラス一に誰をいれるかは非常に迷いましたが、最終的にランドロス、ポリゴン2、ヒートロトムに決定しました。
以下、個別解説です。
性格 意地っ張り
実数値 175-190-171-*-139-158(メガ後)
努力値 156-60-4-0-68-220
特性 クリアボディ
持ち物 メタグロスナイト
最速霊獣ランドロス抜き
地団駄でH167- B171ギルガルドに50%〜
残りはなるべくDに
今回もメインアタッカーとして採用。良耐性・メガ前のクリアボディのおかげで初手に置きやすいので後発のオニシズクモやランドロスの圏内にいれることを意識して相手を削ってもらいました。
面倒なポケモンを後述のテテフの自然の怒り+グロスの攻撃で飛ばすコンボが強かったことと陽気だと火力や耐久がしょっぱかったことを踏まえて使い慣れている意地っ張りの耐久ベースで採用。大会前の調整で最速地面zランドロスに何度もボコされたのでSラインはそこを抜けるようにしました。リザードンの前で突っ張る選択肢がとれないのはもどかしかったですが、他の味方でリザードン構築には互角以上に戦うことはできていたので割り切りました。
メジャーどころへの打点・グロスの強みである運要素を押し付けるといった点を踏まえてもアイへ地団駄レンチは確定で、思念アムハン守るのどれを採用するかといったところで悩みましたが、数を増やしていたカミツルギへの打点となるアームハンマーをいれました。カミツルギだけでなく、メガバンギを一撃で倒す・威嚇の入った状態でガオガエンを半分削る・ポリゴン2やカビゴン、ガルーラに予想外のダメージをいれるなどかなり活躍しました。守るをいれるよりも 拾った試合が増えたと思います。
世界大会のようなお互いの実力が拮抗しやすい対戦では技の追加効果に助けられる場面も少なくなく、プレイヤーの足りない力量をカバーしてくれました。最後までこのポケモンを使い続けたのは間違ってはいなかったと思います。
性格 臆病
実数値 155-*-96-172-136-161
努力値 76-0-4-172-4-252
特性 サイコメイカー
持ち物 とつげきチョッキ
技構成 サイコショック ムーンフォース 自然の怒り 目覚めるパワー(炎)
C211メガリザードンYのwダメ晴れ熱風2耐え
C244メガゲンガーのヘドロ爆弾耐え
C147カプ・コケコのフィールド補正込み10万ボルトz耐え
メタグロスの火力補助や特殊方面への殴り合いを担当するサポーター兼影のエース。上記の通りほぼ全ての特殊技を耐える数値があり、こいつのおかげでメタグロス単メガでたりながらリザードン構築とも渡り合うことができました。テテフが生存することでショックや怒りをいれる回数を増やす→グロスやオニシズクモの圏内にいれやすくなるという構図ができあがるので、この構築にチョッキテテフは本当にマッチしていたと思います。
また、メタグロスの「相手を半分以上削る能力に長けている」という強みをより活かすためにSをメタグロスより速くし、テテフのショックや怒り→グロスの攻撃といった連携をとることでワンターンキルできる相手を増やせました。ギルガルドや、Sが遅いと割れたグロスに対しても怒り→地団駄で奇襲ができるので立ち回りの幅が広がりました。
技は、 瞑想レヒレへの打点とするために超技はショック、ボーマンダへのダメージ量や追加効果を期待してムーンフォース、耐久にものを言わせて連打しやすく味方との連携がとりやすい自然の怒りに加え、カミツルギに隙を見せないめざ炎を搭載しました。どの技も満遍なく撃ちました。
考察していく中で、「テテフではなくコケコをいれてコケコグロスにした方がより高圧的になり強くなるのではないか?」と考えた時もありましたが、
・リザードン+スカーフランドor避雷針の組み合わせに対しても動けるようにする
・エースとなるオニシズクモの障害となるトドンやバレルに対してダメージを与えられる
・サイコフィールドを展開することでオニシズクモがトリルターン中に猫騙しで妨害されなくなる
・怒り+グロスの攻撃のコンボが読まれにくい
・個人的にこれまでの公式大会でテテフを使った時はよい結果を出せていたので、謎の信頼感があった
等の理由から、テテフを採用しました。
どの構築に雑にいれても強いというポケモンではないと思いますが、周りとの噛み合い次第では非常に強力な駒となり得るため、もっと早い時期に開拓されていたら環境を変えていたのではないか?と思わせるポテンシャルを感じました。存在を教えてくれたなさにえる君本当にありがとう。
余談ですが、もともとはアンセナさん(@iruto_ansena)がメガスピアー構築(?)に組み込んでいたチョッキテテフに対してポテンシャルを感じたなさにえる君が考察を進めたという構図になっていたらしい。起源はアンセナさんらしいのでアンセナさんにも感謝。
オニシズクモ(ぬし)
性格 勇敢
実数値 175-134-112-*-153-42(S個体値0)
努力値 252-252-0-0-4-0
特性 すいほう
持ち物 水z
技構成 アクアブレイク 虫食い 身代わり 守る
この構築真のエース。先発のメタグロス+@で削りをいれてから後発クモで相手をなぎ倒していくプランがシンプルながら強力でした。プールが広いルールゆえにアローラダブルの時よりもマークが薄く、動きやすかったような気もします。実際、勝った試合のほとんどがトリル中にクモで制圧する、というものでした。うまいこと後述のポリ2とあわせればレヒレを出されても対処できることに調整を重ねていくうちに気づけたため、選出の機会が増えたのもよかったです。
ワイドガードを使う機会がほぼなかったため技構成はこのようになりました。当初はランドロスがzを持っていたため神秘の雫を持っていましたが、ランドがzを手放したことや、相手を一撃で倒しきることがクモ自身を守る一番の方法であると気づいたためzを持たせました。
このポケモンを採用したことで色々うまくいったと思います。ぬしシズクモを貸してくれたキムラコウヘイ(@kimlin_hage)、ありがとう。
性格 穏やか
実数値 191-*-120-125-152-80
努力値 244-0-76-0-188-0
特性 ダウンロード
持ち物 進化の輝石
技構成 冷凍ビーム 10万ボルト 自己再生 トリックルーム
c156ルンパッパの雨下手助けハイドロポンプ水z耐え
トリル要員。クレセリアではなくポリゴン2を選択した理由としては
・ランドロスの蜻蛉で弱点を突かれない
・オニシズクモの火力を後押しするだけの最低限の火力がある
・数が少ないためあまりマークされていない(ダウンロードでcがあがりやすい、はたき落とすにさえ気をつければポリゴン2による詰めも狙える)
といった理由です。特に一番下の理由が大きく、カミツルギやメタグロスの前に投げてダウンロードでcをあげてしまえばポリゴン2自身、トリル下非トリル下問わず強力なアタッカーとなるため、手がつけられなくなります。うまいことcがあがればクモの水z+10万ボルトでレヒレも吹っ飛びます。このポケモンも使用率はそこまで高くない印象でしたが、オニシズクモとあわせて大活躍してくれました。
当初は「こごかぜ・トリル・サイチェン・毒」のクレセリアを使う予定だったのですがあまりにもカスだったのでポリ2で本当に正解でした。クモのところでも触れましたが、相手を倒しきって攻撃を食らわなければクモが死ぬことはないのでサイチェンでクモを守る必要なんてありませんでした。
霊獣ランドロス
性格 意地っ張り
実数値 189-188-111-*-102-143
努力値 196-44-4-0-12-252
特性 威嚇
持ち物 拘りスカーフ
技構成 地震 岩雪崩 蜻蛉 馬鹿力
c179ウツロイドのパワージェム岩z耐え
一応スタンチックな構築になりつつあったので立ち回りやすくなるように威嚇枠としてランドかガエンをいれようとなったのですが、ポリクモがいるとはいえ普通に地面の一貫がキツかったのと、リザードンに一方的に上から炎技を撃たれ続けるのは流石にしんどかった(あとバンドリがヤバかった)のでスカーフランドロスを組み込みました。
拘り持ちは BO3だと弱いと聞いていたし、実際そうだと思っていたのですが、たとえバレていようがリザードンを上から抑え込めることの重要性が大きかったためデメリットはほぼ感じませんでした。day1day2通してかなりリザードンとマッチングしましたが、初手でリザを守らせてくる人がいなかったためスカーフ雪崩を通して展開が楽になることも多かったです。
あとは、クモが出せない時のサブプランとしてランドの地震圏内に相手を押し込んで勝つルートもとれるようになりました。
採用自体は正解だったのですが、素のwダメ地震をメガゲンガーにたえられて負けてしまった試合もあったので、適当に配分せずもう少し火力を確保するべきでした。あとは特に言うことはないです。
性格 控えめ
実数値 152-*-128-157-129-124
努力値 212-0-4-140-12-140
特性 浮遊
持ち物 ウイのみ
技構成 オーバーヒート 10万ボルト 毒 守る
補完枠。ここまでの5体でほぼ全てに対応できますが、
・コケコグロスがどうしようもない
・ブルルへの打点も少ない
といった課題が残ったため必死にポケ徹でサーチかけまくったところ唯一条件を満たせそうだったのがヒートロトムだったため採用。あまり採用したくはなかったですが、一応レヒレグロスにも強めの駒ではあるし、ランド+ヒトムで地震10万うつのも強そうだったので組み込みました。
で、実際活躍したかと言われるとほぼ選出してないためなんともいえないです…。ただ、day2進出をかけた試合ではリザバレルテテフグロスとかいうゲロ重構築を突破する鍵となってくれたり、構築全体での打点が少ないテッカグヤを倒してくれたりと一応要所要所で仕事はしてくれたので採用が失敗だったともいえず、モヤモヤしています。この枠によりマッチする型、あるいはポケモンがいてくれたらより立ち回りの幅が広がったかもしれません。
一応リザ構築に出すことを想定していたので熱風雪崩を食らって過労死することがないようにきのみを持たせ、クモが手が出せないトドンで詰むことがないように毒を仕込みました。毒が必須となる場面はありませんでしたが、これにより「特定の相手に勝てなくなる」という最悪の状況は免れることができたので、day1で早々と2-2になってしまっても精神的にゆとりを持って試合に臨めていたということで一応正解だったのかな、と捉えています。
選出
先発 +
後発+
一番パワーのある選出。適度に相手全体を削ってサイコフィールドが残っている状態でクモを暴れさせるのが理想的。トドンがいなければだいたい通せる。
先発 +
後発+
トドンやバレルなどクモを妨害してきそうなポケモンが複数いる場合。テテフグロスで一方的に相手を倒して数的有利をとり、最終的にランドで一掃を狙う
先発+
後発+何か
VSリザードン。テテフでショックや怒りを連打し、とにかくクモの圏内に押し込むことを意識する。カビゴンがいる場合は早めにクモとのS関係を割るようにしていました。
選出時にはかなり頭を使いましたが、実際の対戦ではそこまでリスキーな手を選ばずとも勝てた試合がほとんどだったのでただただテテフグロス+ポリクモの組み合わせが強かったと思います。もう少し勇気を出して交換読みをしていれば…という場面もありましたが。
今年の過酷なday1を勝ち抜くことができたので構築選択は正しかったと思います。ただday2の対戦相手やトップカットに残っている人たちの構築やプレイングに追いつくためには、また壁を一つ越えなければいけないと痛感しました。トップカットに残った人たちが本当にカッコよかったのでいつか自分も立てるようになりたいですね…。また気持ちを新たに頑張ろうと思います。ここまでお読み頂きありがとうございました‼︎これとは別にオフレポとか今年のルールの反省記事とか書くかもです。