ポケモン日本一決定戦9位 ドラパアシレーヌ・ゼロ
PJNO以来の更新となりますね。リンヤです。今回は先日行われたポケモン日本一決定戦本戦で使用した構築の紹介記事となります。戦績としては
・日本一決定戦本戦9位
・シーズン8ランクバトル最終15位
と、またしてもあと一歩足りてれば感はありますが、高水準の戦績は残せたので構築としての完成度もそれなりにあげられたかな、とは捉えています。
【この構築に至るまで】
構築経緯ってほどのしっかりと論理的な筋が通ったモノではないですが、ここに至るまでの紆余曲折を残しておきます。
①環境考察
PJNOが終わってから日本一決定戦本戦までに残された時間は約1カ月でした。夢特性のゴリランダーエースバーンと新規教え技に加え、環境をめちゃくちゃにしそうなポケモンが大量解禁されたため、既存のアーキタイプに加えて新ポケモンを組み込んだPTの考察・対策まで考慮する必要がありました。いや〜しんどいね。 新規解禁ポケモンで環境に大きく影響を与えそうなやつらだと こいつらだったなぁと。 ウーラオスが思っていた以上に強かった点を除けば予想はだいたい当たってました。 ただ、新環境初期ってこともあり何がメジャーな構築でどれを意識すればいいかなって方針が決まりません。僕は構築を組むときは「自分のやりたいことを通す」よりは、「環境に多く存在するアーキタイプを5つくらい事前に想定し、そいつらに負けないように構築作成する」ってタイプのオタクなのでこういうの慣れていないんですけどねぇ…。 まぁここでくよくよ悩んでも仕方ないのでとりあえず自分がこれまでに触れた構築に強そうな新要素をぶっ込んで遊ぶことにしました。候補にあがったのは ・アシレーヌ+ポリゴン2 ・ドラパルト+テラキオン ・コータスフシギバナ+悪ウーラオス 手始めにここから触っていこうと思いました。 ・アシレーヌ+ポリゴン2→新たに解禁されたポリゴン2をトリル起動役としてアシレーヌと組ませたかった。サマヨールと比べた時のポリゴン2の強みとしては
・サマヨール以上に硬い ・自己再生を覚えるため詰め筋になりやすい
・自身も火力がないわけではないので削り役として優秀
・環境にB>Dのポケモンがそれなりに存在した(ゴリランダー・エルフーン・ジュラルドン・バンギラス・ウーラオス等)ため、ダウンロードでCがあがりやすい
・ドラパルト・バンギラスなどサマヨールが隙を見せやすい強力なアタッカーに強い
等があげられます。逆にサマヨールの強みとしては
・特性お見通しがどのような状況でも便利
・ノーマル・格闘技が無効。特にエースバーンの飛び膝蹴りやポリゴンZの破壊光線をスカせるのは強力
・黒い霧や鬼火等、積んでくるタイプのポケモンへのカウンターに優れている
こんなところでしょうか。今回はモロバレルを携えて環境に舞い戻ってきたバンドリを意識してポリゴン2を選択しました。せっかくの新要素ですしね。
・ドラパルト+テラキオン→以前使った偽装ドラパセキタンザンの大幅な強化。
ドラパルトのダイホロウ+横の物理アタッカーの追撃が強力なのは周知の事実ですが、今回はテラキオンという超高性能のアタッカーが解禁されました。
・岩格闘の優秀な攻撃範囲と攻撃種族値
・手助けや挑発といった補助技も使える
・しかも相手目線だとドラパルトの袋叩き+テラキオンダイマックスの線を切れない
と、殴ることだけ考えたら弱い要素がなく、高水準のASと攻撃範囲も鎧環境にかなり適合しています。特に、ドラパルトと組みあわせた際のVSポリゴンZ性能が優れている点が魅力的でした。鎧環境では低速のポケモンのみでPTを構成していると、冗談抜きでポリゴンZ一体に破壊されます。ポリゴンZだけでなく、エースバーンやトノグドラ、袋叩き+コバルオンといった低速PTを容赦なく虐殺してくるPTは増えたので、こちらも高速アタッカーを擁して相手に好き勝手させない必要性は増したと思います。
ちなみに、ドラパルトでダイマテラキオンを叩くことをメインに据えることは全く考えていませんでした。テラキオンは耐久数値はそれなりに高いものの弱点が多く、
・エースバーンの飛び膝蹴り
・ゴリランダーのグラススライダー
・イエッサンのワイドフォース
といった高火力技で、ダイマックスしたとしてもすぐに瀕死に追い込まれてしまいます。それにダイマックス技に関しても
ダイロック・・・自身のDを上げるのは強いが味方にとっては砂ダメがマイナスになる
ダイナックル・・・追加効果は優秀なものの威力は低い
と、テラキオンにダイマックスを切るメリットはあまり感じなかったため、ドラパルトにダイマックスさせた方が旨味があると判断しました。ドラパルトのダイマックス技はいずれも追加効果が味方全体にメリットを付与できるのが強い。
そんなこんなで、これまで自分が好んで使っていたドラパルト+水タイプの強力なアタッカーの組み合わせが大幅に強化されたと感じたので、これをベースに鎧環境に慣れていこうと考えていました。
コータスフシギバナ+ウーラオスの組み合わせも、バナコーの弱点をウーラオスがいい感じにカバーしてくれるので強いとは思っていたのですが、無限回ダイマキッスに破壊されたのでお蔵入りにしました...
②補完要員の穴埋め
ここまでの時点で選出パターンは
①ドラパルト+テラキオンを中心としたファントム(?)ビートダウン
②アシレーヌ+ポリゴン2を中心としたサイクル+トリックルーム
に決まったので、その両方にうまく噛み合うポケモンをいれたいところです。とはいっても、ガオガエンとゴリランダーにすぐ決まりました。ぶっちゃけ採用理由に関してはフィーリングというか、「似たような構築がPJNOで上位に見られたのでまあ強いだろうと決めつけて実際いれたら、やっぱり強かったのでそのまま組み込んだ」って感じです()一応そのあたりについては個別解説で触れます。
③調整開始~最終的な構築選択
最初のPT構築は7月の早い段階で済ませたので、2週間ほどはほぼ同じ構築内容で調整を開始しました。構成に関しては最終的に使ったものとほぼ同じでしたが、違うところとしては
・ガオガエンの最後の技が決まっていない(鬱憤晴らし、インファイト等)
といったところでした。他の要素についてはほぼ決まってて、弄る余地はないかなーって思ってました。
使用感については上々で、ランクマでも一桁を長らくキープできるレベルには戦えていました。以前使っていたアシレーヌ構築はトリルへの依存度が高く、立ち回りも単調になりがちだったのですが、この構築は
・威嚇で味方の耐久を底上げできる
・強力な先制技であるグラススライダーがある
・トリル役のポリゴン2が自己再生を使えるためHP管理がしやすく、好きなタイミングでトリルを貼り易い
といった要素があるため、戦況に応じてトリルをするかしないか決められるのが好感触でした。ドラパルトテラキオンのアグレッシブな選出もいい感じ。何してくるかよくわからん不気味な相手もマッハで殴り倒せるのが精神衛生上よかったです。
一方で構築の弱点も見えてきました。苦手な要素を列挙していくと
・鉄壁ナットレイ、アーマアガア
辺りが課題でした。ジバコイルはドラパルト+テラキオンが選出しにくいトノグドラ+トゲキッスのような組み合わせと同居していることが多く、必然的に御三家で対処しなければいけないケースが多かったのですが、まあ当然キツい。ドラミドロもドラパルトが仕事しにくいイエッサン+ブリムオンと同居しているのでキツい。鉄壁鋼タイプに対しては構築全体で有効打が少ないのでまあキツい。(こいつキツいとしか言ってないな)
全く勝てていなかったわけではないですが、この手のメタ要素を盛り込んだ構築が本戦までに増えると雲行きが怪しくなってきます。そのため、この構築を一旦保留とし、サブプランとしてもう一種類別の構築を研究することにしました。
①ドラパルトアシレーヌが苦手とする構築群に強そう
②自分がこれまでに使った経験がある
ことを踏まえると、フシギバナ+コータスが適していそうでした。フシギバナ自身もキョダイベンタツという強力な専用技を獲得していましたし、コータスがいれば鋼タイプの陰キャに悩まされる必要もなさそう。自分がPJNOで使った構築をベースに、それっぽいものを考え始めました。
この時の構築の欠点として、
・イエブリが置物と化していた
・シンプルに威嚇がキツい
・選出がワンパターンになりがち
というものがあったので、その辺をなんとかできるようにしたいな~と思いつつ組んでました。バナコー固定で、バンドリやらミラーやらで勝てるように色々試しました。
取り巻きで使ってたのはこんな感じ。 ウォーグルはミラーにもドラパルトにも強そうでかなりよさそうでしたが、
バナコー→バナコーには強いけど取り巻きのバンギサマヨにサイチェン雪崩で虐められた
ドラパルト→ドラパテラキに普通に負けた
という感じでいらないコになった。悲しい。
バナコー自体はパワー高くてかなり魅力を感じたのですが、同時にけっこう問題も発覚。
・イエッサンがキツい(エースバーンやファイアローもいるとなおキツい)
・ダイマキッスがキツい、マジでキツい
・バナコーがかなり増えてきたので、ミラーがめんどくさい+真っ先にメタの対象になるのではないかという懸念
この辺。どれもけっこう深刻な問題でしたね。特にバナコーって飛行技の一貫切るのが難しい(と思ってる)のでピントレンズキッスは本当にしんどかった。前にバナコー使ってた時はチョッキエースバーンがいたり、レンズキッスとそんなに当たらなかったってことでそんなに気にならなかったんですけど。
...とまあ、調整中はそこそこ勝ててはいたんですけれど、本番2週間前くらいでこのような懸念がどっと降ってきたのでこれホンマにバナコーでいけるのか?ってなりました。直前にスボミーさんに別のバナコーの案とか貰ってそちらもギリギリまで練習していたのですが、自分の納得いく練度まで立ち回りを煮詰められなかったので諦め...(中身は色々所見殺し要素とかあってとても強かった)
じゃあ何使う?って振出しに戻ってきてしまったのですが、、、他に研究していた構築もなかったので結局ドラパアシレーヌに戻ることに。ドラパアシレーヌだとジバコイルとかのメタ要素が増えてきたら勝ちにくいんじゃないかなって懸念はあったのですが、そのようなメタ構築がそれほど出回っていなかったり、御三家+ドラパルト構築も環境に出回っておらず、バナコーに比べれば他のプレイヤーの意識の外にあるんじゃないかなって要素が追い風になったので、ドラパアシレーヌを使うことにしました。ただ、鎧環境初期に組んだドラパアシレーヌだとバナコーに確実に勝てるとは言えなかったので、そこの部分だけ再調整して持ち込むことにしました。
長々と紆余曲折を書いてきましたが、これは後で「この時期どんな風に取り組んで、どんなことを考えていたかなあ」って振り返る時に必要になりそうだったので記録として残しておきます。ここから先は個体解説です。
【個体解説】
ドラパルト
性格 意地っ張り
特性 クリアボディ
実数値 163-189-95-*-96-194
努力値 0-252-0-0-4-252
持ち物 命の珠
技構成 ドラゴンアロー ゴーストダイブ 空を飛ぶ 守る
勝負所のインターネット大会3回連続登板となる、僕の相棒兼切り札です。構築経緯の項目でも少し触れましたが、鎧環境では相手のエースバーンやポリゴンZ等の低速を容赦なく叩き潰してくるタイプのポケモンに対抗できる手段は絶対に必要なので、そういった意味ではドラパルトの株は相対的に上がったと思います。
また、ダイマドラパルトに無防備な選出をすると一瞬で崩壊するだけのパワーを持っているため、選出画面で相手に強烈に意識させることができるのがドラパルトというポケモンが8世代最強の座で居続けることができた最大の理由です。
構築を組み始めた当初ではけっこう無理やりダイマさせて相手と刺し違えてでも倒す、という立ち回りをしてしまっていたのですが、「あ、これ相手ダイマ切らないとドラパルト止められないな」と思ったら即引きしてガエンポリ2で時間稼ぎしてから裏から再降臨させてトドメを刺したり、一発ドラゴンアローをいれてから交代して温存するという立ち回りもするようになりました。これを意識するだけで立ち回りの幅が広がり、取れる選択肢や試合中の視野が広がりました。こういったフェイントが許されるのもドラパルトの強みだと思います。
これまで僕は耐久ベースの弱点保険以外でドラパルトを扱えた試しがないのですが、
・バナコー環境であり、選出した試合で弱点保険が発動する機会は減っている
・ドラパルトを軸とした構築はあまり当たらない上に、当たったとしてもアシレーヌ+ポリゴン2に任せればよい
・陽気だと火力が絶妙に足りない場面が頻発(特にVSバナコー)
といった理由から意地っ張り命の珠で使用。食わず嫌いで使っていなかっただけなのですが、今まで保険使ってたのがアホらしくなるレベルで使用感はよかったです。後述のテラキオンの手助けと合わせればダイドラorダイホロウでダイマエースバーンをワンパン、コーチングした上で手助けすればダイマミロカロスやダイマアーマアガアですら吹き飛ばすパワーになるので、ドラパルトより遅いポケモンは全員死にます。
追い風やトリルを絡めて上から殴られると弱いのですが、逆にS操作が介入しない殴り合いであれば無類の強さを発揮するので、選出画面ではまずそこを考えて出すか判断します。最悪テラキオンのコーチングやガエンの威嚇バクア、ポリ2のサイチェンでカバーすることはできるので多少強引にでも出すことは可能です。
ドラゴンアロー・・・A特化の珠持ちなので通常時でも火力がバカにならないです。
僕のドラパルトも3発撃てるようにしてほしい
ゴーストダイブ・・・通常時でもトゲキッスにかなりいいダメージが入るので事前に少し削っておけば倒せます。
空を飛ぶ・・・袋叩きにするか悩みましたが、テラキオンを叩いてアドがとれそうな場面が皆無だったのと、ダイジェットがVSバナコーやウォーグルでかなり役に立ったので。フシギバナに対して手助けダイジェットでワンパンする選択肢が欲しかったので威力を重視して空を飛ぶ。
守る・・・ドラパルト最強技。守りながら横のテラキオンでコーチングすることで強引な対面突破も可能になります。
性格 陽気
特性 正義の心
実数値 166-181-110-*-111-176
努力値 0-252-0-0-4-252
持ち物 気合の襷
鎧環境で解禁されたスーパースペックアタッカー。耐性的に叩きのエースとするならコバルオンの方が優秀ですが、ドラパルトのお供としてはテラキオンは間違いなくVGC2020で最強クラスです。構築経緯の方でもサラッと書きましたが改めてテラキオンの強みを挙げると
・岩格闘の優秀な攻撃範囲と攻撃種族値
・手助けや挑発といった補助技も使える
・しかも相手目線だとドラパルトの袋叩き+テラキオンダイマックスの線を切れない
はい強い(確信)リザードンより早い岩雪崩使いというのが本当に偉く、ドラパルトの負担を軽減してくれました。散々ヨイショしてきましたが、ドラパルトとセットでないと強さを半分も出し切れないので、基本的に選出するときはドラパルトとセットです。
岩雪崩・・・抜く理由なし。高速雪崩が強いのは周知の事実。
インファイト・・・抜く理由なし。ダイホロウとあわせれば多くのダイマックスポケモンをも倒せる。
手助け・・・これまでのドラパルトの相方にはなかった偉さ。これにより威嚇をいれられたりゴリランダーに縛られている状態でもドラパルトのサポートができます。
コーチング・・・ここまでの3枠は確定でいいと考えていて、残りの技をどうするかで悩んでのですが、意外性があって一番不利状況を打破できそうな大技として採用しました。
たとえば、負けん気のせいでメインウェポンを撃ちにくいウォーグルがきてしまったとしても、ダイジェット+コーチングと動けば相手からのダイジェットのダメージを抑えつつ、次のターンにダイドラグーンで縛ることができます。他にも、ドラパルトを対面からワンパンしてきそうなダイマックスポケモン(アシレーヌやミロカロス?)と鉢合わせてしまった時もダイウォール+コーチングとして次のターンに手助けダイホロウを撃てば吹き飛ばせるため、一種の所見殺しとしても機能しました。採用してる人はなかなかいないと思いますが、使い方次第で不利盤面をいくらでも捲れるので採用価値はあったと思います。
他の採用候補だった技について
守る・・・この構築のテラキオンが守らなければいけない時点でその試合は負けているか選出を誤っていることがほとんどだったため、採用しても不利状況を脱せるとは思えなかった
挑発・・・VSモロバレル、サマヨールであれば便利かと思いましたが、どちらもダイホロウ雪崩で落とした方が早そうだったのと、そんなに欲しい場面に遭遇しなかったため不採用。トリルを無理して止めるくらいなら裏選出した方がよい。
性格 控え目
特性 激流
実数値 181-*-94-191-136-91
努力値 204-0-0-220-0-84
持ち物 リンドのみ
技構成 熱湯 ムーンフォース 吹雪(冷凍ビーム) 守る
調整意図
B・・・A194ゴリランダーの奇跡の種+GFキョダイコランダをダイマックス+リンド込みで確定耐え(のはずだったが本番は急所で死んだ)
C・・・あまり
S・・・最速モロバレル+1
4月以来自分が信頼を置いているポケモンの一匹です。当時と比べると強さや対処法が認知されてきたため以前ほど刺さりはよくないですが、鎧環境でも一定数存在したバンドリ系統の構築や追い風+エースバーン系統の構築には攻撃の通りがよく簡単にはやられないため、ドラパルトが苦手とする構築群を相手にするもう一体のエースとしては適任だったと思います。
自分はこれまでアシレーヌを使う時はダイマックス前提の型を使っていましたが、今回はドラパルトと同時選出できるように、またダイマックスのタイミングをある程度好きに選べるようにメインウェポンをハイドロカノンではなく熱湯にしました。というのも
①バナコー系統の構築にはドラパテラキガエンポリ2orゴリラという選出をしていたが、テラキオンはフシギバナのキョダイベンタツですぐに死んでしまうためテラキオンを積極的に出すべきではないことがわかる。また、フシギバナ以外にはアシレーヌはそこそこ戦えるためアシレーヌを選出した方がよさそう。
②御三家+ポリゴン2の選出をする際に、アシレーヌでダイマックスする前に一回ガオガエンやウインディを小突きたい場面が多く、反動ありきのハイドロカノンだと使いにくさを感じるようになってきた
といった理由で、アシレーヌの水技を熱湯に変更しました。この変更は本番前日に行ったのですが大正解で、大幅に動きやすくなりました。逆にダイストリームの威力が落ちた弊害は特になかったです。じゃあ吹雪はなんで吹雪のままなんだって話ですが...氷技は素の状態で撃ちたい場面がほぼなく、ダイアイスで霰にした後の吹雪連打が強くて気に入ってたのでそのままにしてたんですよね。ただ、本番中にフシギバナに冷凍ビームを当てて確実に削りたい場面に遭遇してしまったので、これも冷凍ビームが正解でした。(QRは冷凍ビームverも用意しました)
このゴリランダーが蔓延している環境でアシレーヌを使うには一工夫必要なのは確かだったので、行動保障を持たせるためにリンドのみを持たせました。対面したゴリランダーが「アシレーヌどうせ動かせないっしょw」って舐めて放置してくることが多々あったので、強気に動けるリンドは持ち物選択として非常によかったです。去年の世界大会で使ったカシブルナアーラやオッカモロバレルのように、「相手視点からしたら縛ってるけど実は縛られておらず、一回動くことで相手に甚大な被害を与えられる」ポケモンの半減実が自分は好きなようです。
「そこまでしてアシレーヌ使う必要あったの?」「なんか他に適任いたんじゃない?」ってツッこまれると反論できないのですが、特別使いにくさを感じていたわけではないし、新勢力のウーラオスに明確に有利をとれる貴重な駒でもあったので、これでよかったんだろうなあって感じです。環境に刺さってるかどうかもですが、ポケモン対戦において「使い慣れていてそのポケモンに関するダメージ感覚が正確である」ことは極めて重要なので、使い慣れていたアシレーヌを使ったことはよい選択であったとは思います。僕自身、VGCルールにおいては同じポケモンを長らく使い込む傾向があるのですが、けっこうそのあたりの言葉に表せない「感覚」を重視しているプレイヤーだからかもしれません。書いてて気づいた。
技構成については既に上で触れたので省略。
性格 慎重
特性 威嚇
実数値 202-136-128-90-124-92
努力値 252-4-140-0-20-92
持ち物 突撃チョッキ
技構成 フレアドライブ 蜻蛉帰り 猫だまし バークアウト
調整意図
B・・・A168リベロエースバーンの-1珠飛び膝蹴り最高乱数以外耐え
D・・・C150ラプラスの珠ダイストリーム(ハイドロポンプ媒体)確定耐え
7世代では散々使ってきたガオガエンですが、8世代でまともに使うのは初めてでした。とはいっても、使い方は7世代とほぼ同じで、耐性と耐久を駆使して後投げし、相手にデバフをかけて蜻蛉で戻ってまた繰り出す。そんな感じです。草炎水のサイクルは8世代でも安定してます。
ドラパルトやアシレーヌは殴ることに関しては最強ですが、各々耐久は脆いのでガオガエンでサポートして複数回動けるようにします。
ラプラス構築に対して時間稼ぎをしてほしかったり、VSバナコーにおいてフシギバナを倒すための鍵となるポケモンとなるため特殊耐久を重視して持ち物は突撃チョッキ。フシギバナの前に体力が満タン近いガオガエンを出すことができれば、相手はフシギバナを簡単に動かすことができなくなるため隙を作れます。
ガオガエンがいることで味方全体の耐久があがり、攻め急がなくても任意のタイミングでダイマ、トリルの選択肢が取りやすくなったのでやはりガオガエンの代替はいないなあって思いました。
フレアドライブ・・・環境に強力な草タイプが多いので必須。鋼タイプへの数少ない明確な打点でもあります。
蜻蛉帰り・・・ダメージを蓄積させることで他の味方の圏内に押し込みやすくなるので捨て台詞ではなくこちら。イエッサンに当てればアシレーヌのダイストリーム圏内に入ります。
猫だまし・・・いれない理由がない。
バークアウト・・・最後まで鬱憤晴らしやインファイトと悩んだ枠。ガオガエンの最終的な耐久ラインが決まった後、火力にはほぼ割けないことがわかったので積極的に殴る技をいれる必要性はなさそうだと感じました。バークアウトはラプラス、アシレーヌ、ジュラルドン、トゲキッス等に当てることができればその後の展開がかなり楽になりそうだったので採用。かなり撃ったし相手のダイマックスを凌ぐのにも役立ったのでいれて正解でした。
ゴリランダー
性格 意地っ張り
特性 グラスメイカー
実数値 201-193-110-*-90-113
努力値 204-244-0-0-0-60
持ち物 奇跡の種
技構成 グラススライダー 10万馬力 叩き落とす 守る
調整意図
S・・・準速ラプラス抜き
ゴリランダーには終盤のお掃除役としての役割を期待していたのですが、終盤まで残りがちな相手のガオガエンに弱く、結局相手のガエンゴリラとこちらのガエンゴリラで殴り合うみたいな展開になりがちだったので、あまりよくなかったかもしれません。ただこれで勝てなかったというとそうではなく、生半可な草半減ポケモンであれば強引に倒してしまえるレベルにはスペックが高かったし、ガオガエン以外のポケモンに対してはグラススライダー連打で勝ち、みたいな展開に持ち込めていたので悪くはなかったです。終盤のお掃除役としてのスペックはミミッキュの比にならないくらい高かった。相手のトゲキッスは試合の序盤~中盤で倒してしまうことが多かったのであまりゴリランダーの障害にはならなかった。
これも今になって「実はゴリランダーじゃなくてよかったんじゃね」疑惑が出ていますが、いないとバンギラスへの打点減っちゃうし、フィールド変える手段ないし、相手の水タイプ面倒だし...って問題がわんさか出てくるので、やはりゴリランダーだったのかなあって感じです。ポケモン難しいね。
基本的には終盤にグラススライダー連打しますが、ここしかないってタイミングがきたらダイマックスすることも稀にあります。グラススライダーの火力を極力あげて縛れる範囲を広げたかったので持ち物は奇跡の種。しかし、ガオガエンやエースバーンの前で一回突っ張りたい場面もそこそこあったのでオッカのみでもよかったかも。
グラススライダー・・・採用理由。これが強すぎてウッドハンマーが欲しいことがなかった。
10万馬力・・・苦手なガオガエンや、構築全体で苦手なジバコイル、ドラミドロへの打点として。かなり使った。
叩き落とす・・・構築全体でポリゴン2の処理手段に乏しいので、弱体化させるために必須でした。ガオガエンのきのみを落とせるのも大きい。
守る・・・相手のダイマックスが切れるのを待ってグラススライダーを撃ちたいことが多かったため。守るが読まれにくいこともあり、かなり便利でした。猫うつくらいなら殴った方が強いと思ったため猫だましは不採用。
性格 図太い
特性 ダウンロード
実数値 191-*-132-125-139-80
努力値 252-0-76-0-188-0
持ち物 進化の輝石
技構成 冷凍ビーム 自己再生 トリックルーム サイドチェンジ
調整意図
B・・・A168リベロエースバーンの珠飛び膝蹴り耐え
D・・・あまり
帰ってきたポリゴン2。サマヨールとの差別化要素・違いに関しては冒頭で述べた通りですが、大事なことなので再掲
ポリゴン2の強み
・サマヨール以上に硬い ・自己再生を覚えるため詰め筋になりやすい
・自身も火力がないわけではないので削り役として優秀
・環境にB>Dのポケモンがそれなりに存在した(ゴリランダー・エルフーン・ジュラルドン・バンギラス・ウーラオス等)ため、ダウンロードでCがあがりやすい
・ドラパルト・バンギラスなどサマヨールが隙を見せやすい強力なアタッカーに強い
サマヨールの強み
・特性お見通しがどのような状況でも便利
・ノーマル・格闘技が無効。特にエースバーンの飛び膝蹴りやポリゴンZの破壊光線をスカせるのは強力
・黒い霧や鬼火等、積んでくるタイプのポケモンへのカウンターに優れている
今回の構築では
・戦況にあわせて最適なタイミングでトリルを貼る
・ポリゴン2を倒せるポケモンを全て倒し切ってポリゴン2で詰ませる展開も視野にいれる
・アシレーヌとポリゴン2を並べてサイドチェンジすることでドラパルトを完封できる
といったことを意識していたので、ポリゴン2を採用しました。エースバーンやウーラオスが牛耳っている環境での格闘弱点はやや痛いですが、もともと耐久が高すぎるため一発は耐えますし、アシレーヌと並べてサイドチェンジしたりガエンで威嚇をいれてサポートすることでカバーしました。格闘弱点以外の全てにおいてサマヨールを上回っていたため使わない手はなかった。
冷凍ビーム・・・唯一の攻撃技。ドラパルト、トゲキッス、ゴリランダー、モロバレル等弱点をつけるポケモンは多いです。
自己再生・・・サマヨールにはないポリゴン2最大の武器です。生半可なダイマであればこれを連打してるだけで受けきれます。
トリックルーム・・・採用理由。戦況を見極めて「ここで貼らないと相手の攻めを受け流せないと判断したとき」「相手がほどよく削れたのでアシレーヌで一気に畳みかけたいとき」等、自分側にアドを大きく引き寄せられると判断した際には積極的に使っていきます。
サイドチェンジ・・・いつもの。お待たせ。サイドチェンジをいれずに長い間調整していましたが、「ポリゴン2のサイドチェンジはまず決め打ちされない」ことが判明したので、他の技をいれるより勝率があがると判断していれました。調整中にアシレーヌと並べてドラパルトの前でサイドチェンジしたらアシレーヌ方向にダイホロウ飛んできたときはswitch叩き割りそうになった本番では初手でドラパテラキ出してきた不届き者をサイドチェンジ×3で成敗して気持ちよくなってました。
雑感
選出や立ち回りについてはここまででもけっこう触れてきたのと、色々書いちゃうと決め打ちされてこれから使っても面白みが失せちゃうと思うのであえて書きません。質問ありましたらDMの方にお願いします。
上でも少し触れましたが、この構築は「明確なメタ対象を設定し、それらを潰す」ものではなく、「シンプルに強くて自分がある程度使い慣れているポケモン、戦術が使える」ものとなりました。そのため環境的に一歩進んだ構築を使っている人には苦戦を強いられる想定だったのですが...幸い本番ではPT負けすることはほぼなかったです。やはり一か月っていう短期間で新環境に適応した構築を組むってことは他の強豪プレイヤーにとっても難しいことなんでしょうね。
直前のアシレーヌの型変更も功を奏し、まさに自分の想定していた立ち回りができたので満足しています。ただ、試合中の運はガチで酷かった。
・アシレーヌがキョダイコランダ急所でワンパンされる
・受けだしたポリ2が冷ビで一発で凍って一生溶けない上に相手のパッチラゴンは電撃嘴3連で当ててくる
・どっちか片方でも動いてりゃ勝ち濃厚の場面で麻痺バグ2回ひく
・威嚇いれたバンギラスの襷潰そうとしてガエンに蜻蛉させたら雪崩で怯む
...こんなんでええんか公式大会で...こっちの上振れは食らってよかったA-1火炎ボールよけたくらいやぞ...
てくらい散々で正直途中ガチでメンタルイカれかけたのですが、なんとか最後4連勝してタマキンも制して50位以内は入れました。褒めてくれ。4位以内目指す体力と気力はそこで使い果たしてしまったので、次回は(運が悪くなければ)目指してみたいかも。
今回当たった構築だと、想定していたバナコーやバンドリっぽいものもいましたが、あまり想定していなかったファイアロー+イエッサンの追い風PTや壁+ダイマキッスといった構築もいたので、そのあたりにも対応できるアシレーヌ+ポリゴン2+ドラパルトの組み合わせは結果的によかったです。ドラパルトとアシレーヌへの愛着もまた一段と沸きました。また助けてくれてありがとうな。
今回、ひとまず50位以内に入るという目標は達成できたのですが、環境を意識した構築作りはできなかったので、構築作成力をあげていきたいと考えています。あと、今回は使えなかった新解禁ポケモン使って遊んでいきたいですね。
だいぶ長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
また、7月中何度も通話で一緒に考察してくれたり色々提案してくれたスボミーさん、直前にフレ戦してくれたり本番でボーダーチャレンジで背中押してくれたアンセナさんありがとうございました。